電子回路を作ったり、基板を見たりしていると、よくこんな経験があります。
- 最初はちゃんと動いていた
- テストでは問題なかった
- ある日突然、動かなくなった
このとき多くの初心者は、
「部品が悪かったのかな」「ハンダ付けが下手だったのかな」
と考えがちです。
しかし実際には、**回路が壊れる原因の多くは“よくある設計上の落とし穴”**です。
この記事では、
電子回路が壊れる理由を
失敗例ベース・感覚ベースで整理します。
回路が壊れる理由はだいたい決まっている(結論)
- 電流が想定より多い
- 電圧が想定より高い
- 急激な変化を甘く見ている
壊れる理由は無限にあるように見えて、
実はかなり限られています。
電子部品は、
「これ以上はダメ」というラインを超えた瞬間に壊れる
という性質を持っています。
なぜ「動いていたのに壊れる」のか(理由)
- 一時的な動作と長期使用は別
- 温度や時間で条件が変わる
- 異常は積み重なって表に出る
テスト中は問題なくても、
時間が経つと壊れる回路は珍しくありません。
それは、
部品がギリギリの状態で使われているからです。
壊れ方①:電源まわりのトラブル(最頻出)
- 電源電圧が高すぎる
- 逆接・突入電流を考えていない
- コンデンサの使い方が甘い
なぜ電源が原因になりやすいのか
電源は、
回路全体に影響を与えます。
一瞬の異常でも、
すべての部品に同時にダメージを与えるため、
壊れ方が派手になりやすいのです。
よくある勘違い:定格以内だから大丈夫?
定格は「瞬間的に超えない」だけでは足りません。
温度上昇やリップルを含めて考える必要があります。
壊れ方②:出力回路の無理(LED・モータ)
- 電流制限が足りない
- トランジスタに余裕がない
- 保護ダイオードがない
なぜ出力回路は壊れやすいのか
出力回路は、
一番電流が流れます。
そのため、
「ちょっとくらい」が積み重なって破壊につながります。
よくある勘違い:短時間なら平気?
短時間の過負荷でも、
寿命は確実に削られます。
壊れ方③:入力回路の油断(マイコン誤動作)
- ノイズ対策不足
- 電圧範囲を考えていない
- 直接入力している
なぜ入力が原因になるのか
入力は外界とつながっています。
そのため、
想定外の電圧・ノイズが入り放題です。
よくある勘違い:信号だから壊れない?
マイコン入力も、
立派な電子部品の一部です。
壊れ方④:RC回路の誤解
- 値を感覚で決めている
- 時間を正確に作れると思っている
- 温度・誤差を考えていない
なぜRC回路で事故が起きるのか
RC回路は便利ですが、
精密な制御には向きません。
よくある勘違い:遅延時間は固定?
RC回路の時間は、
目安レベルです。
壊れ方⑤:ダイオードの向き・種類ミス
- 向きを間違える
- 電流容量不足
- 逆耐圧不足
なぜダイオードは軽視されがちか
「ただの保護部品」
という認識が、事故を生みます。
よくある勘違い:どれも同じ?
用途ごとに役割が違います。
回路が壊れにくくなる考え方
- 余裕を持たせる
- 最悪を想定する
- 定番構成を守る
実務では、
ギリギリを攻める設計はしません。
動いている回路ほど、
「なぜ動いているのか」を疑うことが大切です。
まとめ:壊れる理由を知ると設計が変わる
- 壊れ方にはパターンがある
- 原因はだいたい決まっている
- 失敗例は最高の教材
ここまで理解できていれば、
あなたはもう“壊れない回路”を考える側に入っています。
次は、
これらを踏まえた
「値の決め方を感覚で理解する」
に進むと、設計力が一段上がります。