電子回路を見ていて、
多くの人が最後につまずくのがここです。
- 抵抗値はなぜこの数字なのか
- コンデンサ容量はどうやって決めているのか
- 設計者は計算しているのか、勘なのか
ここが分からないと、
- 回路を真似しても不安
- 自分で値を変えるのが怖い
- 専門書に進む決心がつかない
という状態になります。
この記事では、
抵抗やコンデンサの値を
「計算で決めるもの」ではなく「感覚で決めていくもの」
として整理します。
値は最初から正解を決めていない(結論)
- 多くの場合、ざっくり決めている
- 定番の範囲から選んでいる
- 最後は動作を見て調整している
初心者は、
「この値には厳密な理由があるはず」
と思いがちです。
しかし実務では、
最初から唯一の正解が決まっていることはほぼありません。
なぜ値を感覚で決められるのか(理由)
- 回路は理想通りに動かない
- 部品には誤差がある
- 余裕を持たせて設計する
電子回路は、
机上の計算通りには動きません。
温度、個体差、電源の揺れなど、
必ずズレが出ます。
そのため設計では、
「多少ズレても問題ない範囲」
を作ることが重要になります。
抵抗値の決め方①:電流を制限する場合
- 流しすぎないため
- 部品を守るため
- 余裕を持たせる
なぜギリギリにしないのか
LEDやトランジスタは、
定格ギリギリで使うと壊れます。
そのため抵抗は、
**「ちょっと大きめ」**に入れます。
よくある勘違い:明るさは最大が正解?
少し暗くても、
寿命が伸びる方が正解な場面が多いです。
抵抗値の決め方②:信号を作る場合(プルアップなど)
- 強すぎない
- 弱すぎない
- 周囲とバランスを取る
なぜ幅があるのか
プルアップ抵抗は、
数kΩ〜数十kΩなど、
かなり幅を持って使われます。
これは、
厳密な値よりも
「条件を満たしているか」
が重要だからです。
コンデンサ容量の決め方①:安定させたい場合
- 電圧の揺れを抑える
- 瞬間的な不足を補う
- 近くに置く
なぜ大きければいいわけではないのか
容量を大きくしすぎると、
- 立ち上がりが遅れる
- 突入電流が増える
など、
別の問題が出ます。
よくある勘違い:とりあえず大容量?
目的に合った容量が重要です。
コンデンサ容量の決め方②:時間を作る場合(RC)
- おおよその時間を決める
- 精度は求めない
- 調整前提で考える
なぜRCは目安なのか
抵抗もコンデンサも、
誤差を持っています。
そのためRC回路は、
「だいたいこのくらい」
を作る用途に向いています。
なぜ専門書は急に難しく感じるのか
- 計算式から入る
- 前提知識が省略されている
- 実務感覚が書かれていない
専門書は、
「すでに感覚がある人」
向けに書かれています。
感覚がない状態で式を見ると、
意味がつながらなくなるのは自然です。
実務でよく使われる考え方
- 定番値から選ぶ
- 実績のある回路を真似る
- 動かしてから微調整
これは、
サボっているわけではありません。
壊れにくく、再現性が高い
やり方だからです。
まとめ:値は感覚で決めていい
- 最初から正解は決まっていない
- 余裕を持たせるのが設計
- 感覚は経験で育つ
ここまで理解できていれば、
あなたはもう“回路を作る側の思考”に入っています。
これで、
このシリーズの基礎編は一通り完結です。
次は、
これらを前提に
「実際の回路を一から組み立てる思考」
に進めます。